たったひとつの朝鮮白磁の丸壺に魅かれて、古美術商の店先に立ちどまったのが四十余年前。
祖国は解放されたものの、私自身、まだ帰るあてもない日のことでした。
いつかは祖国へ帰る。そう思いこんでいたものですから、みやげのひとつにしようと暖簾をくぐったことが,
「今日」の始まりとなりました。
今もなお私にとりましては帰るに帰れない祖国ですが、そこには私のふる里がございます。
六十余年の歳月はあまりにも遠く、もう私の知っているふる里ではないのかも知れません。
しかし、高麗・朝鮮の時代にも、ふる里の平原はあのように風を走らせ、夏の洛東にはとうとうとした流れで、
私たちのような童を抱き慈しんでいたことでしょう。
美術工芸品を観ていますと、どの匠人もそうした風土の恵みをたっぷりと受け留めていたことが感じられるのです。
同胞の若き人々よ、どうか知って下さい。あなたの民族は、日々の生業そのものを文化とする豊かさをもって、
生きてまいりました。あなたにもその豊饒な生命が息づいているのです。
この度の開館におきまして私が望み願いますことは、すべての国の人々が私たちの祖国の歴史、文化を正しく理解することで、
真の国際人となる一歩を踏み出して頂くことでございます。
韓国・朝鮮の風土に育った「美」は今もなおこの日本で、言語・思想・主義を超えて、語りかけております。
どうぞ、心静かにその声をお聴き下さい。
1988年10月25日
財団法人 高麗美術館 鄭 詔文
| 2009年11月21日 | 2010年度リクエスト展「あなたが選んだコレクション名品展」展示品・イベント リクエスト募集 |
| 2009年10月11日 | 2009年度秋季企画展「朝鮮のすまいと調度」関連イベント「チマ・チョゴリ試着体験」と「韓国茶道実演」 |
| 2009年10月03日 | 2009年度秋季企画展「朝鮮の住まいと調度-木工家具にみる美意識」2009年10月3日(土)~12月23日(水・祝) |
| 2009年10月01日 | 【館報】84号 |
| 2009年09月27日 | 2009年度夏季コレクション名品展「蓮の清香-君子の花 浄土の花」2009年7月3日(金)~9月27日(日)前期:7/3(金)~8/16(日) 後期:8/18(火)~9/27(日) |
| 2009年07月05日 | 2009年度 高麗美術館研究講座「朝鮮の仏教文化―人と思想と建築と」 |
| 2009年06月30日 | 【館報】83号 |
| 所在地 | 京都市北区紫竹上岸町15 |
| TEL | 075-491-1192 |
| FAX | 075-495-3718 |
| 開館 | 10:00-17:00 (入館は16:30まで) |
| 休館 | 毎週月曜日(ただし、祝日と重なる場合は翌日) 年末年始・展示替期間 |
| 入館料 | 一般 500円(400円) 大高生400円(320円) ※(20名以上の団体) ※特別展は別料金です。 ※中学生以下は無料です。 ※障害者手帳をお持ちのご本人と付添いの方1名まで無料。 ※65歳以上の方は一般料金より2割引(年齢の確認できるものをご提示ください)。 |