【館報73号】 2007.1.1 冬号
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表紙写真:青花松鹿文壺
朝鮮時代 18世紀 高 42.0㎝

73号掲載内容

02  朝鮮通信使と雨森芳洲/上田正昭(京都大学名誉教授・高麗美術館館長) 他
07  随想 春の日に、桜の花の散るその下で
08  研究講座年間案内 朝鮮通信使
10  典籍紀行5 甲戌?について
12  日々の覚書/表紙について/お知らせ

表紙について

青花松鹿文壺 (せいかしょうろくもんこ)
朝鮮時代 18世紀 高 42.0cm  15世紀半ば、白磁生産で有名なソウル近郊の広州郡一帯に、宮中で使用される磁器を焼成するための分院が設置される。そのために必要な燃料の不足を補うため、約5~9年単位で移転を続け、分院の候補地として、樹木が繁り水運の便利な場所が選ばれた。宮中内で分院固定論が議論され、1752年に分院里窯を固定し、生産の安定を図るに至った。

 本品の肩にめぐる如意頭文は分院里窯の青花白磁にみられる特徴である。 画題には吉祥文様とした十長生のうち松、鹿、竹、雲がほどこされている。松は長寿、鹿は祖神の使いとして吉報をもたらす意味合いがこめられている。また、それらの文様は、濃淡で描き分けられることにより細やかな描写に奥行きが生まれており、白磁壺全体にしみこむ少し青みがかった透明の釉薬がこれを際立たせている。

 のびあがる松の枝とゆるやかにたなびく雲が見事に調和し、静寂な雰囲気を作り出している。どこか物悲しく哀愁漂う風景だが、そのなかで鹿のつがいが仲むつまじく遊歩する佇まいはあたたかく、幸せに包まれている。(松)


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