鷺図(さぎず)
 


鷺図(さぎず)朝鮮時代1643年 金明国筆・林羅山賛 紙本墨画 一幅

 第四回(1636)、および第五回(1643)の通信使画員に選ばれた金明国(1600~1662年以降)は、当時の日本ではたいへんな人気であった。一人の画員が二度も通信使に加わる例はほかになく、その歓待ぶりがうかがえる。この鷺図は金明国の稀少な作品のひとつで、江戸幕府の儒官であった林羅山(号は道春、1583~1657)の七言絶句があり、両者の交流が偲ばれる。林羅山は1643年の通信使製述官であった朴安期(号は螺山、1608~?)との交流が縁で金明国と知り合い、彼の鷺図に賛を記したと思われる。
巧妙さはないが、即席で描ききる業は、“神筆”と称された金明国のあふれる技量が映る。

백로도
Joseon Dynasty,17th century