高麗美術館コレクション名品展 「朝鮮の壺」2010年2月20日(土)~4月4日(日)
 

白磁大壺(朝鮮時代18世紀)

開催にあたって

 高麗美術館が所蔵する「鄭詔文コレクション」のなかから、名品の数々を選りすぐり展示する「コレクション名品展」。今回はとくに人気のある「壺(つぼ)」を取り上げ、その様々な姿を紹介します。  壺は古くから私たちの暮らしに欠かせない道具として作られてきましたが、用途によって、また材質によって多面的な性格を持ち合わせています。中に何を入れたのか、そのためどのような形態なのか、あるいは装飾文様は何を表すのか。飲食物を保存する壺、建築用工具としての壺、描かれた壺などなど、陶磁器を中心にあらゆる角度から朝鮮の壺をとらえ、暮らしや習俗との関わりについてわかりやすく展示します。大小さまざまな魅力たっぷりの朝鮮の壺、ぜひご観賞ください。 

開館情報

 ■会 期    2010年2月20日(土)~4月4日(日)
 ■開館時間   午前10時~午後5時  ※入館は午後4時30分まで
 ■休館日   毎週月曜日、但し祝日と重なる場合は翌日休館。  
 ■入館料   一般500(400)円、大高生400(320)円、中学生以下無料

 (  )内は20名以上でご来館の団体割引料金です。
 また、事前のご予約にて団体解説も承っております。
 詳しくは高麗美術館(電話075-491-1192)まで。

 ■主な出展品  ・青磁象嵌菊花唐草文壺(高麗時代 12世紀後半) 
 ・青磁象嵌牡丹文扁壺(高麗時代 13世紀)
 ・粉青白地掻落蓮華文扁壺(朝鮮時代 15世紀後半)
 ・白磁大壺(朝鮮時代 18世紀)
 ・鉄砂龍文壺(朝鮮時代 17世紀)
 ・青花草花文壺(朝鮮時代 18世紀前半)
 ・青花栗文壺(朝鮮時代 19世紀) 
 ・飴釉面取壺(朝鮮時代 19世紀末期)
 ・甕器(朝鮮時代末期)
 ・亀型墨壺(朝鮮時代 19世紀)など約60点

主な出展品

白磁大壺 朝鮮時代18世紀(高さ51.0㎝)
 肩部から大きく緩やかに膨らむ曲線を描き、胴部から裾にかけては長い斜線をもって小さくすぼまる。上下をつなぎ合わせ、そのために歪みを持つ器壁は不均衡でありながら、全体が妙なバランスで安定している。温柔な味わいのある白磁壺である。



鉄砂龍文壺 朝鮮時代17世紀(高さ34.0㎝)
 ユーモラスな龍の表情と鉄砂の筆致が印象的な壺。このような龍文壺は青花(染付)で多く描かれたが、17世紀頃には顔料不足により、 鉄絵による壺が多く生まれた。また青花にはみられない諧謔性がその特徴でもある。一度見れば忘れることのできない壺である。



青磁象嵌菊花唐草文壺 朝鮮時代12世紀後半(高さ4.3㎝)
 手におさまるほどの愛らしい青磁壺。これは当時の女性たちが化粧容器として使用したものと考えられる。青磁の深い釉色にあいまって、上品な菊花が上半分にめぐらされている。



粉青掻落蓮華文扁壺 朝鮮時代15世紀後半(高さ23/0㎝)
 伸びやかな手慣れた技で大胆に掻き落とされた表面には、蓮華文が表されている。粉青沙器の扁壺は象嵌や掻落などでデフォルメされた豪放な印象を与える文様が数多く表現され、15~16世紀の朝鮮陶磁にみられる一つの性格を成している。頸(くび)に紐をくくりつけ、中には酒を入れて楽しんだのだろう。


高麗美術館コレクション名品展「朝鮮の壺」関連イベント①

ワークショップ「韓紙(ハンジ)で四角い皿を作ろう」

 「全州(チョンジュ)韓紙(ハンジ)」は現在韓国に残る伝統工芸紙として有名です。今回はその伝統的な韓紙を使い、縦21.0×横21.0×高さ3.0センチの四角いトレイを作ります。
 紙の色、そして文様もいくつかの種類から自由に選ぶことができます。
 ワークショップとともに、開催中のコレクション名品展「朝鮮の壺」も学芸員の案内でご鑑賞いただきます。一生の思い出に、大切な人へのプレゼントに、手製の韓紙トレイ作りをぜひ体験してください。


 日 時: 2010年3月6日(土) 13:00~15:30
 会 場: 高麗美術館
 講 師: 申 英 姫 (シン・ヨンヒ、韓紙工芸家)
 料 金: 3,500円 (材料費、入館料込み)
 定 員: 20名 (小学4年生以上)
   ※定員に達し次第、締め切らせていただきます。
 持 物: エプロン(又は汚れてもよい服)・はさみ・
   ハンドタオル(糊がついてもよいもの)



高麗美術館コレクション名品展「朝鮮の壺」関連イベント②

ソヘグムと歌のミニコンサート

 古くから朝鮮半島に伝わる伝統楽器「奚琴(ヘグム)」を、より幅広い音域に改良し、洋の東西を問わず、あらゆる演奏を可能にした弦楽器「小奚琴(ソヘグム)」。その美しく深い音色で、朝鮮古典楽曲と現代音楽をお楽しみください。

 日 時: 2010年 3月 13日(土) 13:30受付/13:45開演(~15:00)
 会 場: 高麗美術館
 演 奏: 河 明 樹(ハ・ミョンス、ソヘグム奏者)、ルンヒャン(歌、ピアノ伴奏)
 料 金: 2,500円(入館料込み)
 定 員: 60名    曲 目: 「アリラン」、「パンキル~夜道」、「モランボン」ほか予定


●ソヘグム

Ha Myong Su 河 明 樹 Sohegum【写真:中央】
     
朝鮮学校で民族弦楽器ソヘグムと出会い、金剛山歌劇団で演奏活動を行う。現在、第一線のソヘグム奏者としてフリーでソロ、デュオなど多彩に活躍。国内はもとより、国外でも活発な演奏活動を展開。映画「ゲゲゲの鬼太郎~千年呪い歌」、テレビアニメ「NARUTO-疾風伝」などの音楽制作に参加。2006年12月、ソヘグムのオリジナル・ミニアルバム「HIBARI」をリリース。<スピカコンサートHIBARI>を行うなど、幅広い演奏活動を展開しながら、民族楽器講師として全国を巡る。

Rung Hyang ルンヒャン Piano 【写真:右】

歌い手として2007年9月に自身のソロアルバム「INNOCENCE(イノセンス)」を発表、2008年2月には自身が指揮をとるユニット「roha room」で西日本三大都市ワンマンツアーを敢行。作り手としても映画音楽やテレビ番組、舞台の作曲・アレンジを手掛けると共に、柔らかく情緒溢れたピアノ演奏にも定評があり、国内外のアーティストとの共演やサポートをつとめ、またアーティストへの楽曲提供や映像作家とのコラボレートなど、ジャンルを問わないスタイルで活躍中のシンガーソングライター。

<問い合わせ・お申し込み> 高麗美術館 電話075-491-1192 まで