2011年新春企画展「美術工芸品に描かれた 10のシンボル   十長生を探して」2011年1月8日(土)~3月27日(日)
 

刺繍十長生文八曲屏風 部分
朝鮮時代19世紀(高麗美術館蔵)

開催にあたって

 朝鮮半島で高麗時代からすでにその概念が形成されていたという長寿のシンボル「十長生(シプチャンセン)」。十長生とは日、月、山、水、雲、石、松、竹、鶴、亀、鹿、霊芝といった自然の物象を集め、長生きを喜んだものを指します。
 2011年の新春は刺繍屏風や高麗青磁、青花白磁、絵画のなかに描かれた長生のシンボルを探る展覧会を開催します。さまざまな工芸品に描かれた長生をご自身の目で探していただき、その長生のあり方をじっくりとご堪能ください。

開館情報

 ■会 期   2011年1月8日(土)~3月27日(日)
 ■開館時間   午前10時~午後5時  ※入館は午後4時30分まで
 ■休館日   毎週月曜日、但し祝日と重なる場合は翌日休館。  
 ■入館料   一般500(400)円、大高生400(320)円、中学生以下無料

 (  )内は20名以上でご来館の団体割引料金です。
 また、事前のご予約にて団体解説も承っております。
 詳しくは高麗美術館(電話075-491-1192)まで。

 ■主な出展品  ・刺繍十長生六曲屏風(19世紀)…十長生を刺繍で表現した屏風。
 ・青花松鹿文壺(19世紀)・・・松に鹿が描かれた白磁壺。
 ・仰釜日晷(18世紀)・・・亀形の日時計
 ・竹図 崔北筆(18世紀)…朝鮮通信使画員・崔北の描いた竹の絵。
 ・日月陽刻梅竹文硯(朝鮮時代)・・・日月を墨堂と墨池に見立てた硯。

<常設展示> 
 ・白磁壺(17世紀後半)…高麗美術館の創設者・鄭詔文のコレクション第一号の壺。


主な出品紹介

●刺繍長生文八曲屏風 部分

朝鮮時代19世紀
高麗美術館蔵
一曲:73.0×31.5センチ

 赤の羅紗地に色とりどりの糸で十長生の文様を刺繍した屏風。松樹の下で戯れるつがいの鹿や亀がほほえましい。十長生に登場する動物文は鶴、鹿、亀であり、それらは雌雄で描かれ、十長生が陰陽思想とともに展開した様子がうかがえる。



●青花窓絵鶴亀文壺

朝鮮時代18~19世紀
高麗美術館蔵
高:30.8センチ

 青花で枠取りされた丸窓のなかには水辺で瑞雲を吐く亀が描かれている。この窓絵のなかには十長生のうち、亀、雲、水の三種のシンボルが登場している。