1995年 高麗美術館研究講座 「李朝文化の成立」③
1994年4月より「李朝文化の成立」をテーマとした講座を開催しております。李朝文化を生み出した背景に考察を加え、ものの形となって結晶した美術工芸品のなかに、その精神風土を探ります。

 講座名称   第51回 高麗美術館研究講座
 タイトル   「高麗茶碗」
 講  師   赤沼 多佳 先生 (茶道資料館学芸課長)
 日  時  1995年1月28日(土)/午後2時~3時30分
 会  場  佛教大学四条センター
 京都市下京区四条烏丸 京都三井ビルディング4階
 ℡:075-231-8004
  受講料  受講料:1,000円 高麗美術館会員はご招待
 内  容  高麗茶碗は朝鮮半島で焼造された茶碗であるが、日本で侘の茶風が確立するとともに、唐 物に替わる茶碗として着目された。さらに桃山時代、江戸時代を経て高麗茶碗は格別なもの  として高く位付けられたのである。現存する高麗茶碗の種類と数はかなり多く、その様子は和 物茶碗に劣らないが、残念ながら今日一般的にはあまり親しまれていないようである。この度 はあいまいになりつつある高麗茶碗の種類分けや、それぞれの見所を紹介したいと思っている。

 ※講師肩書は開催当時のものです。


 講座名称   第52回 高麗美術館研究講座
 タイトル   「李朝陶磁の展開」~倭乱前後における王宮の役割~
 講  師   金 巴 望 (高麗美術館研究所)
 日  時  1995年2月25日(土)/午後2時~3時30分
 会  場  佛教大学四条センター
 京都市下京区四条烏丸 京都三井ビルディング4階
 ℡:075-231-8004
  受講料  受講料:1,000円 高麗美術館会員はご招待
 内  容  朝鮮時代の文化を展望するとき、そこに大きな断層があることに気づく。壬辰・丁酉倭乱に  よる王朝の紛乱期である。陶磁史においても17世紀前半期を「空白期」と称した。だが、本当  に空白だったのであろうか。朝鮮時代の人々がおよそ半世紀にわたるほど、茫然としていたと は思えないのである。衣食住は人間の生活に不可欠なものであり、乱後、ただちに必要とした のが食卓・宴席に使われる器皿たちではなかったか。この度はそうした視点から王朝の記録  をもとに17世紀以降の李朝陶磁史を展望するものである。

 ※講師肩書は開催当時のものです。


 講座名称   第53回 高麗美術館研究講座
 タイトル   「訓民正音(ハングル)の制定とその意義」
 講  師   藤本 幸夫 先生 (富山大学教授)
 日  時  1995年3月25日(土)/午後2時~3時30分
 会  場  佛教大学四条センター
 京都市下京区四条烏丸 京都三井ビルディング4階
 ℡:075-231-8004
  受講料  受講料:1,000円 高麗美術館会員はご招待
 内  容  ハングルは15世紀半に作られた合理的な文字であるが、その成立事情は必ずしも明らかで はない。それまで朝鮮語の表記には漢文や漢字の音・訓が使用されたが、ここに至って大き  な転換期を迎えた。しかし当初は蔑視され、また知識人の漢文能力が高かったため、直ちに  普及せず、17世紀になってハングル文字が出現する。

 ※講師肩書は開催当時のものです。