白磁壺 (はくじこ) 朝鮮時代17世紀後半
 


白磁壺 はくじこ 朝鮮時代 17世紀後半
H 28.5㎝

 白磁は15世紀後半に設置された京畿道広州官窯の出現により、その生産を勢いづけ、王室の御器(ぎょき)として上質の白磁が焼成されるようになる。しかし、16~17世紀には度重なる戦禍に見舞われ、陶磁生産は大きく停滞する。その後、18~19世紀には再び白磁の需要が高まりをみせ、生産量の多い時期を迎える。
 この白磁壺は器形が安定し、器壁、釉調ともに薄く青白色を呈する。ろくろ目や夾雑物をわずかに残すが、比較的精製されており、このような端正な白磁壺は遺例が少ない。
なお、高麗美術館の創設者・鄭詔文氏(1918~1989)はこの白磁壺との出逢いを機に、朝鮮美術収集に傾注するようになる。

백자항아리
White Porcelain Jar
Joseon Dynasty,latter half of 17th century