2024年 秋季展覧会『 朝鮮王朝のチェッカド―冊架図の世界―』
冊架図(チェッカド)といわれるジャンルの絵画を見ていると、朝鮮時代(1392~1910)がいかに開放的で先進の文化を受容していたかということが分かるような気がします。朝鮮王朝は北京へ使節を頻繁に派遣しました。彼らの目的は政治的儀礼でしたが、書店をはじめ、自由に買い物をし、街を観光し、知識人の自宅に泊まりました。いわば現代の観光ツアーのような側面もありました。彼らのもたらした情報は国際情勢だけでなく文化や文物、知識や芸術にまでおよびました。今回の展覧会で見る「チェッカド」は、朝鮮時代の後期にもたらされた斬新な西洋的エッセンス、いわばアートのようです。遠近を無視したかのような絵画法は今でもとてもユニークな作品です。これらの絵画をぜひ多くの人々に楽しんでいただき、朝鮮時代後期の開放的で明るい美術を体験していただきたいと思います。高麗美術館館長 井上満郎
あわせて2017年にユネスコ「世界の記憶」に登録された高麗美術館所蔵の「朝鮮通信使」資料を展示いたします。
◆開催期間:2024年9月1日(日)~12月8日(日)
◆開館時間:午前10時~午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
◆休館日:毎週月・火曜日 祝日の場合は開館いたします。
◆入館料:一般500円、大高生400円、中学生以下無料
20名様以上の団体と65歳以上の方は400円、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名無料
~ 関連イベント ~
第144回研究講座 『高麗美術館の平壌図屏風を読み解く』
講師 田中俊明(高麗美術館評議員・滋賀県立大学名誉教授)
2024年10月19日(土曜日)13時30分から15時
25名(電話にて事前予約)
高麗美術館2階
参加費 無料(入館料は必要)
高麗美術館の十曲「平壌図屏風」(19世紀・朝鮮時代)を解説します。屏風の細部に描かれた名所旧跡を探りながら、実際に現地を訪問した田中先生が現代の平壌の姿と屏風に描かれた姿を比較します。そしてそこから見えてくる朝鮮時代の中国との関係を読み解いていきます。
■学芸員によるギャラリートーク
日時:9月 28日 (土) 、10月26日(土)、11月30日(土)
※いずれも午前11時より(約40分間)事前予約不要
参加費:無料(入館料が必要)