
刺繍百寿百福字図 双幅(朝鮮時代19世紀)
開催にあたって
朝鮮の文様には、鶴(ツル)や牡丹(ボタン)など「長生」や「富貴」を象徴する動植物が多くみられ、また「康寧」や「双喜」といった「吉祥」を示す漢字も装飾の一部として施されるなど、人々の幸福への願いが顕著に表れています。なかでも、蝙蝠(コウモリ)や鹿(シカ)は吉祥を示す漢字と音が通じることから、古来中国・朝鮮において陶磁器や木工品など工芸の意匠に尊ばれました。
螺鈿や刺繍、華角などあらゆる技法を駆使して施された様々な文様装飾。その心温まる動植物の姿に込められた人々の祈りに想いを馳せながら、静かなひと時をお過ごしください。
開館情報
| ■会 期 | 2009年1月6日(火)~3月29日(日) |
| ■開館時間 | 午前10時~午後5時 ※入館は午後4時30分まで |
| ■休館日 | 毎週月曜日、1/13(火) ※ただし1/12(月・祝)は開館。 |
| ■入館料 | 一般500(400)円、大高生400(320)円、中小生300(240)円 ( )内は20名以上でご来館の団体割引料金です。 また、事前のご予約にて団体解説も承っております。 詳しくは高麗美術館(電話075-491-1192)まで。 |
| ■主な出展品 | ・百寿百壽字図 双幅(19世紀) ・華角八角形吉祥文盤(20世紀) ・青花蝙蝠文寿字文鉢(19世紀) ・福寿字文チャン(19世紀) ・蘆雁図(19世紀)※ など総出展数約100点(※会期中展示替あり) |
主な出品紹介
| ●刺繍百寿百福字図 双幅 朝鮮時代19世紀 |
 | (ししゅうひゃくじゅひゃくふくじず そうふく)
命ながく幸いであることを表す「寿」と「福」の字を、様々な書体で配列させた寿福字図は、百歳すなわち生涯に多幸を招くとして古来中国で重宝され、朝鮮でも室内装飾のほか婚礼などの慶事祭礼に用いられた。概ね屏風として仕立てられ、おおよそ百字となるよう描かれたため、本福字図のように、それまでの文字配列の規則から外れて字数を納めるものがみられる。今日別個に額装された状態で伝わるこの双幅も、一隻の屏風から後年剥ぎ取られた可能性が高い。 |
●青磁鉄絵唐花唐草文梅瓶 高麗時代12世紀 |
 | (せいじてつえとうかからくさもんへい)
唐草とは、異国風のという意であり、古代ギリシャや西アジアなどの西域から中国に伝わり、東アジア全域に定着した。丈夫で延々と成長する蔓が不屈の生命力を宿すものとして文様化され、そこに花や葉をつけた創造植物である。意匠として装飾性が高く、唐花唐草のほか忍冬(にんとう)(スイカズラ)唐草、宝相華唐草などとして多用されている。 |
●華角八角形吉祥文盤 1960年代 |
 | (かかくはちかっけいきっしょうもんばん)
中央円内の鶴を霊芝(れいし)、桃(もも)、石榴(ざくろ)、佛手柑(ぶしゅかん)が囲い、さらに外縁には七宝文といった様々な吉祥文が組み合わされ、色鮮やかに描かれている。 なお、華角技法は複雑な製作工程と高度な技術を要することから廃絶の危機にあったが、華角匠・陰一天(ウム・イルチョン/1903-1974)によって繋ぎ止められ、その手法は弟子たちに受け継がれている。 |
●青花松鹿文壺 朝鮮時代18世紀後半 |
 | (せいかしょうろくもんこ)
肩部に如意頭文、胴部には十長生のうち、松・鹿・竹・雲・岩が描かれている。長生文のなかでも、鹿はその角を韓薬(漢方薬)として用いるなど、人々に身近な存在であるとともに霊獣としても神聖視され、また「鹿(ロク)」が「禄(ロク)」に音通することからその意味をもつことでも好まれた意匠である。 |