吉祥文様は福・寿というめでたい前兆を象徴します。朝鮮半島における絵画や陶磁器、瓦や布など多様な身の回りのものには描かれた文様は、装飾のみならず、人々の願いが込められていました。
鄭詔文の友人でもあった司馬遼太郎は、朝鮮固有の美意識について、「韓国・朝鮮の文化には、朝鮮語でいうmot(멋 モッ)でつらぬかれているような気がします」と言っています。
鄭は幼い時に離れた故郷の人々の生活に根ざした美意識を求めて、高麗美術館を創設しました。秋冬展では鄭詔文コレクションから吉祥の願いが込められた平和で時々ユーモラスな朝鮮半島の美の世界をお楽しみください。 ・・・